新型コロナウイルス(COVID-19)について(4月6日追記あり)

 こんにちは。副院長の永尾(史)です。

 

 4月に入り、新年度が始まりましたが、世界的に猛威を振るっている昨今の新型コロナウイルス関連のニュースでまったく晴れ晴れした気持ちにはなれませんね。

 

 新型コロナウイルス(COVID-19)にまつわる歯科医院でのお話を書きました。少し長くなりますが、興味のある方はお読みください。

 

 日本国内でも有名な方々が感染したニュースなど報道されています。タレントの志村けんさんの訃報には私自身も大変なショックを受けました。私はドリフで育ったど真ん中の世代です。皆さんと同じように小学校の頃は土曜の8時にテレビにかじりついては真似をして熱中していました。自分では全く思っていませんでしたが(!)、学生時代には「志村に似ている」とはやし立てられ、ふざけていたことも思い出されます。みんなにはやし立てられて、当時は嬉しいような恥ずかしいような、また一方で志村けんの真似をする自分が誇らしいような不思議な感じでした。あらためて大好きな志村けんさんにお悔やみを申し上げます。

 

 さて、COVID-19と呼ばれる新型コロナウイルスの感染症はいまだ有効な治療法やワクチンも開発されていません。まずは、自分自身が「感染しないこと」が大事です。不要不急の外出をせずに、3密(換気の悪い密閉空間、大人数がいる密集空間、間近で会話する密接空間)を可能な限り避けることが推奨されています。

 

 歯科医院の受診はどうでしょうか?一部報道では、歯科医院は密閉空間で歯科医療スタッフと患者間距離が近く、治療時の水などの飛沫が多く、「感染のリスクが高い」と報道されています。はたして本当にそうでしょうか。

 テレビなどでもさまざまな専門家や専門医などの方がコメントをされていますが、歯科医師で(公社)日本口腔外科学会専門医(とくに感染症が専門というわけではありませんが)である私の見解を述べさせてもらうならば「日常の感染対策をきちんとしている歯科医院ならば、受診することでとくにCOVID-19感染のリスクが高くなるとは言えない」ということです。一般の歯科医院は、風邪を引いた方や体調の悪い方が多く集まる場所ではありません。予約診療で歯科医院を受診する場合は、発熱や体調不良等あれば、受診しないことが多いのではないでしょうか。ここで私が言う「COVID-19感染のリスクが高くなるとは言えない」ということは「感染するリスクが低い」とか「歯科医院は絶対安全」という意味ではありません。あくまで、市中と変わらないリスクという意味です。一般的な歯科医院では現在のようにCOVID-19が流行する前から他のウイルスや感染症に対してもきちんと対策を行っています。医療従事者が感染予防のためマスクやゴーグルなどを使用したり、患者に直接触れる治療機器や器具を個別包装し滅菌して、患者ごとに交換したりすることです。紙コップやエプロンなど使い捨てできるものは使い捨て(ディスポーザブルといいます)です。また診療台や大型機器など使い捨てや滅菌できないものはラップやフィルムでシールして、そのシールを患者ごとに取り替えます。この感染予防の考え方を「スタンダード・プリコーション」といいます。スタンダード・プリコーションをきちんと遵守している歯科医院であれば、COVID-19に限らず未知の感染症についても市中に比べて危険性が高まることはないと考えられます。

 

 COVID-19への対応を考えるとき、マスクについては「他人から自分への感染を防ぐ」というより、「万一、自分が知らずに感染していたときに他人へうつさないようにする」ためにつけると考えたほうがよさそうです。一般的なマスクをつけることで、外からの感染を完全に防御できるかというと疑問ですが、自分が感染していた場合は他人へうつすリスクは大きく減らせると考えられます。現状では、みんなが「もしかしたらウイルスを持っているかもしれない」と考えて、自分のためのみならず、周りにいる大事な家族や他の人たちのためにマスクを着用しておくのがよいでしょう。

 

 安心で安全な歯科治療にあたってはスタンダード・プリコーションを遵守するのは当然として、当院では患者さまが直接触れることがあるドアノブや診療台の手すり背もたれなどは、1回の診療ごとに消毒液(次亜塩素酸ナトリウムの希釈液)をスプレーして拭きあげています。

 

 

 

 COVID-19に関わるさまざまな事柄は大変な騒動になっていますが、私たちは患者さまのみなさんが安心して受診できる環境づくりをしております。予約診療であれば、待合室が人でごった返していることもないでしょうから、歯科医院は決して3密の場所ではないですよ。私たちスタッフも毎朝検温し、体調管理を行ったうえで診療しています。心配なことがあれば、私を含め院内のスタッフにお気軽にお問い合わせください。当院を含め、市中で絶対安全という場所はないかと思いますが、歯科医院が特別危険な場所ではないということを説明させていただきたいと思います。

 

(4月6日 追記しています)

 

 つい先日「歯科医院では感染予防に努めており、3密の状態にならないような体制で診療しています。」という内容の記事を書きました。

 

 しかし、全国的に新型コロナウイルス感染者数は増加の傾向にあり、事態は日々刻々と変化しています。現状では、全国的にどこにいてもウイルスの感染のリスクがないような場所はないように思われます。当院でも、上記の通り、医院の中での感染リスクを減らすように努めていますが、働くスタッフや来院される患者さまを完全な安全を担保するのは困難な状況になってきています。

 近隣地区の状況も鑑みながら、今後の診療・予約受付については判断してまいります。今後も歯科医院の中で患者さまどうし、または医療スタッフから患者さまへの感染が起こらないように留意して診療を続けてまいりますが、状況によっては大幅な診療制限や休診を行うこともあります。受診の際にはお電話にてご確認頂きますようお願いいたします。

2020年04月03日